伝統占星術と占星術魔術における月の重要さ
あなたが生まれた時に、地球の一番そばでその特別な瞬間を見守っていた月は、あなたがこの世を去る時にも、必ずそばでそれを見守ってくれています。

伝統西洋占星術士が見る、昨今の「月」流行りの浅さに感じるジレンマ
月の不思議な力
月の満ち欠けを見る時に、言葉にできない不思議な力を感じます。
その不思議な力は、自分が人間であることや、この世に生まれた意図について、言葉にできない疑問が湧く瞬間と同じ力を持っています。
あなたが生まれた時に、地球の一番そばでその特別な瞬間を見守っていた月は、あなたがこの世を去る時にも、必ずそばでそれを見守ってくれています。私たちがどれほど孤独を感じようとも、決して一人で生きることはないのだ、と月は教えてくれています。
でも、どのように月の伝えることを理解することができるでしょうか?
占星術における月の重要さ
ずっと昔、科学が「目に見える物質だけが真実だ」と説得する方法を確立する以前、人間は目に見えない世界に対して自然に心に湧いてくる深い尊敬を通して、可視不可視の存在と親密な関係を持っていました。
ですから、その当時に行われていた占星術をそのままの技法で行う現代の占星術士たちにとっては、月は特別な存在なのです。
ローマ時代の占星術士ヴァレンの文献にはすでに月がどれほど個人の人生に関係しているかが書かれています。バビロニア時代には陰暦が使われていたことから、文明の始まりから月は人間に時間を告げてきたことが明らかです。欠けては満ちる不思議な美しさで、歴史の初めから、月は私たちのすぐそばにいました。
月の神秘な姿は、20世紀の近代的な占星術においても人を魅了してきました。
一つには、心理的なシンボルや月の女性性が、個人主義やフェミニズムの流れにマッチしたことが背景です。それに比べると、伝統技法の占星術の中での月の重要さは、もっと現実的で確立した位置を保っています。伝統占星術では、月は人間の都合からは独立した確固たる正確さで、地上に起きる物事の意味と展開を明らかにします。
17世紀以前の世界観の中で、月は太陽の次に最も重要でした。その重要さを、現代社会の世界観で理解することは難しいのです。
最近の月の流行り
いにしえの昔から私たちのあゆみを見守り続けている月。
最近、普通の人たちの間でも、月に注目することが増えました。色々なカテゴリーの商品でも、月のデザインを見ることがあると思います。
1980年代になり、アメリカでギリシャ時代以降の占星術の文献が英語翻訳され始めました。数人の、すでに占星術のキャリアの長い占星術士たちが、ほぼ同時期に、古典文献を調べ始めたのです。それからすでに30年が過ぎました。21世紀を生きる私たちに、遠い昔にこの世を去った賢者たちが知っていたことを、知り得る可能性が現実になりつつあります。
物質主義の崩壊や環境汚染、気候の大変動など、これまでの価値観が崩れ落ちる最中に、不死鳥のように再来した伝統占星術。ただの偶然とは思えません。
世界の謎を解く鍵「月」との再会
また、「忠誠心」のシンボルでもある月が、全人類の危機とも言えるタイミングで、多くの一般の人の意識に戻ってきたことは、たまたまの一致ではありません。ちょうど風(大気)の時代への移行が始まった時に、ほんの少数の占星術士たちの努力によって復活された伝統技法は、山火事のような勢いで世界中に波及し、今では多くの言語で普通の人たちが学ぶことができるのです。
その知識があって初めて、夜空を支配する月の特別な役割を知ることができます。
そんな特別な機会を再び与えられた私たちですが、自分の限界を知らず傲慢に「時代遅れの迷信だ!」と、投げ捨ててしまった過去と同じ反応を取るのでしょうか?それとも、すでに多くの人がしているように、自分には理解できないほどの叡智に、心を開くことができるでしょうか。
どうじに、物質中心の世界観しか知らない私たちは、どのようにバランスを保ちながら、目に見えない世界に対する尊敬を保てるでしょうか。
目に見えない世界の知識の乱用
例えば、最近の月の満ち欠けに対する関心が、物質的な「引き寄せの法則」理論の個人儀式や宗教に取り入れられています。「引き寄せの法則」という名前がついていないかもしれませんが、スピリチュアル業界以外の多くのエリアに、その理論は染み渡っています。
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